はんなりと始まりはんなりと。
夜はごうごうと風が強かった。頻尿で何度もトイレへ。イヤホンで睡眠導入音楽を聴きながら眠りを迎えに行こうと試行錯誤。
僕の心臓は小さいそうだ。道理で小心者な訳である。ずっと心電図を取っているのでナースステーションでは眠れてないことや、時に悪いイメージが沸いて緊張してしまっていることなどバレバレなんだろうなと思うとより落ち着かず、邪念を振り払うべく般若心経に切り替えたりするも、選んだものがバイノーラル録音仕様で臨場感が強過ぎ和尚と小坊主達の倍音全開の声が四方八方から攻めてきてより取り乱したりしてしまったりと、うとうと、おしっこ、取り乱しのループを繰り返しながら朝を迎えた。
カーテンが開かれると昨日とは打って変わって赤城山がくっきりにっこり僕を見下ろしており、「心配するな、保証はないが多分うまくいくよ」と言ってくれてる気がした。退院したら山の上の赤城神社に参拝しに行こうと思う。
担当医のS先生がやってきて大体の手術開始時間を告げられる。S先生は出身は不明だが言葉のイントネーションがどことなくはんなりしていて落ち着く。
トキロックと僕は昨日お会いした感じから、彼をカテーテルアブレーション界の若手ホープだという位置付けにし。脳内のお気に入り医フォルダーにはんなりと入った。きっとはんなりと手術を終わらせてくれることだろう。
SNSを見ながら朝食を。和テイストの朝食に牛乳なのか?と合わないなと思いながら牛乳を飲み干す。舌がパンとコーヒーを欲し売店へ。
コメントくれたり、念を送ってくれたり、気にしてくれたり。小心者の僕にはもうこのまま死んでもいいかなと思える(悪い冗談言えるくらいの余裕あり)くらいとても励みになっています。
4人部屋の他の方々はみんなアブレーション仲間(僕が断トツに若年であるが)で昨日、手術終わりの方を目の当たりにしたり、対面のSさんは色々と教えてくれたりしてくれる。
僕自身が一番ビビっているのはおしっこの管をいれることで、子供の頃血尿が出た時に一度やった記憶があるのだが物凄い痛かった記憶があり30年経って技術が進歩している、もしくは僕のペニス自体の感覚が鈍っている(あの時はまだ剝けてもいなかった)ことを期待。
さっき手術着に着替え点滴が始まった。一気に病人感が増す。
初めて飛行機に乗った時も初めてFUJIYAMAに乗った時もおしっこちびりそうなくらい心臓がバクついたが、今回は心置きなくおしっこちびれるというか漏らす心配がない点においては気が楽である。
あと数時間後には手術代の上。外はいつも変わらず夕日が沈む準備をしている。
gigadylan
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