そして思った、まずは土からだな と。

何故だかわからないが、殆ど何もしなくてもすこぶる野菜が育つところがある。

幾人かの農家の人が口を揃えて"あそこはとびきり土がいいからさ"と言ったとか言わないとか。

何を育てるにしても、いい土壌があるに越したことはない。


我が家の1階にあるスタジオは一昨年の冬 片付けたきり一度も音を鳴らされることなく機材諸共放置され、いつの間にか僕のド素人DIYものつくり工房と化しつつあった。いつか使うかもしれないと思いつつ一生使わないだろう機材をリサイクルショップに持って行ったり、オークションに出品するなりすれば片付くし少しはお金にもなるし機材たちにとっても良いのだろうが、皆で使っていた機材を目の前にすると今はまだ虚無感の方が強く、どうにもその気にならなかった。

しかしながら昨年の冬辺りからその気になったこともない訳ではない。幾つかのレコーディング機材を元ドラムス、ジュンの元部屋に運び込み、そこをレコーディングスタジオにすることにしたのだ。

今年に入り、机を買い、足りない部分を自分で作ったりした。ある程度整ったところでさて久々に何か録って見ようかとLogicという音楽制作ソフトを立ち上げたのだが、画面を前にして音楽を制作するにあたって必要であろう手順や、基礎知識をそっくりそのままどこか遠いところに落としてきてしまったことに気づいた。とりあえず珈琲を飲むことから始め、その音楽制作空間の居心地に満足し、いくつかのアーティストの楽曲をiTunesで流し、悪くないねと心の中で言ったままひと月半が過ぎた。

そして思った。まずは土からだな と。

すなわち、音源制作における土とは言わずもがな電源であり、もっと言えば電圧のことである。この部屋に200Vを引かずしてレコーディングするなんて、水耕栽培で作られた味も香りも2流のパクチーを作ってるのと同じことだと偏った物の考え方に拍車をかけ、思い立ってジモティーを使って近くの電気工事士の資格を持っている人を探し電話し要件を伝えた。後日50代くらいの中肉中背のおじさんが約束の時間より少し早くやってきた。おじさんは3ピンと3口を間違って持ってきた。日本のコンセントはアース線を通してないとこがほとんどだから3ピンは意味がないと言った。そんなことはわかっていたが、形状的に音楽機器の電源ケーブルの先が3ピンになってるものが多いのでダミーではあるが僕はコンセントの差し込み口として3ピンにしたかったのである。そもそも2口を3口にしたいだけなら工事なんかせず優秀な電源タップを購入するのが僕が思う一般的な感覚であり、そんな工事頼む一般人は果たしているのかと思ったのだが、電気工事士にはその感覚よりも日本の一般家庭には3ピンのコンセントは必要ないという感覚の方が上回るのだろうか?いや考えれば2ピンへの変換プラグを着けて対処することの方が一般的でもあること(僕もこれまでそうしてきた)から確かに僕の感覚に非がない訳でもない。しかしながら僕は電話で一文字も違わず3ピンに変えたいと言った。悶々とした心の中をスイスにし結局1階のスタジオにつけてある3ピンのコンセント口を外して2階と付け替えてもらったのだが、そのことで工事箇所が2箇所ということになりそれだけで倍の料金取られるという納得しかねるが納得しないと先に進めないおじさんとの関係性になった。そこからおじさんはそれならアースとらないと勿体無いということに夢中になってしまいアースの取り方について熱弁を奮われた。確かにノイズが減る可能性が増えることと地球にとっても人体にとっても良いということに魅力は感じつつも少し面倒だなと思っていた矢先、我が家の裏の土の中からアースを取るための導線が生々しく壁をつたい全く使っていない外のコンセントボックスに刺さっているの発見してしまった。そしてこれを伸ばせばアースが取れるということがわかったので後で見積もりだけ出して欲しいと言ってなんとかおじさんのアース熱を取り除くことが出来た。そして本題の200Vを引けるかを調べてもらった。結果この家のブレーカーには200Vはきてることがわかった。がブレーカーの場所からスタジオ部屋までそこそこの距離がありおじさんはその作業を渋った(おじさんは腰が悪そうだった)。そして僕にステップアップトランス(昇圧機)をひたすら勧めた。音に関するダウントランスでのいい話は小耳に挟んだことはあったが100Vを200Vにするというイメージが僕にはその昇圧機の箱の中で小さいおっさん100人が必死で自転車を漕ぎ1Vづつ捻出している姿しか浮かばず、その日の小さいおっさんの個々の体調によってかなり電圧の供給が不安定になる気がしてならないのと、またその電気工事士のおじさんに対してほんのり不信感と言うか頼り甲斐にかける何かを感じてしまっており、とりあえずどっちにしろ工事のパターンと昇圧機購入のパターンの見積もりだけ全部出して連絡くださいと言ってお別れした。

後日、見積もりが出てやはり昇圧機を強く推してくるもんで、一旦予算の関係上アースは保留にした。

そして昨日、Amazon(おじさんには悪いが)から小さいおっさん100人入りのこいつが届いた。

そして今日、東の小さな畑にパクチーの種を蒔いた。


そろそろ何かと種蒔くにはいい季節になってきた。Logic入門読みながら寝るとします。







gigadylan 


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gEt unfRee OnedaY.

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