エモ逃げ禁止令

ドブロクのニューアルバム「エモ逃げ禁止令」 2025年5月15日発売。 

ドブロクは、以前私たちが地元岐阜県串原村で初めて主催したイヴェント「Mederu」に関する最近の投稿でもご紹介しましたが、私たちが企画するずっと前からここ串原村で音楽フェスティバルを主催し続けている古くからの音楽仲間で東京拠点のスリーピースバンドです 


彼らが串原村で主催する音楽フェスティバル「秘境にて」に以前誘ってもらった事がキッカケとなって移住先が串原村に決まったというのは知る人ぞ知る話


さて、そんなドブロクのニューアルバムのプロモーション動画のナレーションは私たちMOTHERCOATの二人もやらせてもらっています

ナレーションをやらせてもらったという取っ掛かりはもちろんあるし、友達の音楽で、彼らが多くの人に届けたいと思っているのだから出来ることはやりたいという気持ちはもちろんあるのですが、こうしてわざわざブログとして紹介したくなったのには理由があります 


それは簡単に言うと今回の彼らのリリースについて色々心に引っ掛かる点があったということですね 


2009年に私たちが「パッチワーク_式」というアルバムをリリースした際、今でいうクラウドファンディングの形をとって制作を行いました

この時のキャッチコピーが「まだ出来てもいないアルバム買いませんか」だったので、プロモーションの一環として「エアレビュー」と称し、MOTHERCOATを応援してくれている周りの色々な人たちに音が出来上がる前にアルバムタイトルだけを伝えて中身のレビューをしてもらって、独断で一番面白かったレビューをしてくれた人を称えるというのをやりました


まだ彼らのニューアルバムを聴いた訳でもないですが、タイトルの「エモ逃げ禁止令」が心に引っかかってしょうがないのでここで勝手にエアレビューのようなものをします 💿


△「エモ逃げ禁止令」エアレビューのようなもの ▼


ドブロクを聴いてきた人なら、今回のアルバムのタイトルが「エモ逃げ禁止令」だと聴いて、ビックリ仰天、もしくは裏切られた気持ちでいっぱいなのではないだろうか?


2014年リリースの彼らの渾身のアルバムであったはずの「Do the EMO!!!!」そのほぼほぼタイトルチューンである「Do the EMOん」の中で彼らはしっかと歌っている。


「肝心の感情は置き去りでおざなり」と。


エモの「肝心」さを訴えていた彼らが、11年の年月を経て、今、「エモ逃げ禁止令」を敷くという。


エモ逃げ禁止令における『エモ逃げ』の部分の意味として、日本語としてまず字面だけから解釈するのであれば、 

①エモ「から」逃げる 

②エモ「の中に」逃げ込む

以上の二つの可能性があるだろう。 


既に前作「Do the EMO!!!!」で、おざなりにしてきたエモに対峙し、「エモをせよ!!!!」と自分に命令を課すことまでして来た彼らにとって、上記の①は既に提示されていた課題だ。 従って、今回の「エモ逃げ禁止令」とは、②の方である可能性が高い。 


つまり、どういうことか。 多くの人が忙しくしている時間の中で自分が今、何を感じているかということに目を向けることすら忘れている。忘れているのだから、「おざなりにしている」という自覚ももちろんない。 

エモ、つまり自分の感情に向き合うということは非常に面倒くさいことである。「こんな感情を抱いてはいけない。それは罪深いことだよ。」と自ら学んできてしまったことも多い。 だから人は忙しくしたり、「衝突を避けるため」という大義名分の元で自分の感情を感じる寸前に押し殺すことで、無意識的にも意識的にも常に自分の感情に向き合うことから逃げている。 

エモが「おざなり」になっているよ! まずは「肝心」の「感情」に向かいあうんだよ!とにかく黙って「Do the EMO!!!!」!!!! と彼らは私たちに喝を入れて気付きを促してくれていたのだ。 


これに対して、②の「エモの中に逃げ込む」というのはつまり「エモの存在に気がつくことをしないまま、エモの中にどっぷり浸かること」を意味している。 感情の溜まりにどっぷり浸かっている、例えば怒ったり泣いたりしている最中には、感情の溜まりの中にいるので、「今、私ってば怒ってます」「今、私ってば泣いてます」ということに気が付いていない。 さらに、感情の溜まりを爆発させることで一定のカタルシスを得られ、それにより一旦また普段の緩やかな感情の流れに戻って再び流され始めるため、爆発時に飛び散った感情は振り返られず、知らず知らずのうちに新たに別の溜まりを形成する。 


こちらのパターンは、派手な爆発に気を取られて、一見ばっちり「Do the EMO!!!!」出来ているように捉えられがちであるが、感情は「置き去り」にされなかっただけで「おざなり」な形で霧散させられた訳だ。 置き去りにされなかった分、前述の感情を自ら殺すパターンよりは自分の感情に気がつくチャンスはあるといえる。 

しかし、感情が爆発した事実だけに一瞬気がつくが、それだけでスルーしてしまうという意味で、前述の①の感情から逃げるやり方として、それを押し殺すことを選択するのと本質的に変わらない。 押し殺した感情は溜まりとなって、いつか何かのキッカケで結局爆発、もしくは下手をすると崩壊する。 そういう意味で①と②は小出しにするかいっぺんに出すかの時差の違いでしかないからだ。 


ここまで読んだあなたは、「それでは感情を持つって悪いことなのでしょうか!? 私は生きることが好きです。感情を持たないなんて、AIと一緒で、人間として生きているとは言えないじゃないですか!」と感情的に反応するかもしれない。 しかし語感に惑わされず、内容をしっかり読み取ることをしてくれたあなたは、そのようなコメントに対して、「いやいや、感情を持つのは人間として当然のことだし、別に感情を持ってはいけないとはどこにも書いてないですよ。逆に感情を押し殺すデメリットについても述べてあるしね。感情の存在に一瞬気がつくだけではなく、感情の意味内容にきっちり向き合わないままそれを持ち続けて、あまつさえそれに翻弄され続けている自分を振り返る機会を失うことへの注意を喚起していると私は理解しました。」というコメントを返すかもしれません。 


さて問題です。 ドブロクの新譜「エモ逃げ禁止令」の『エモ逃げ』の意味はどっちでしょう? 


①エモ「から」逃げる

②エモ「の中に」逃げ込む


問題の答えを求めて、私は彼らの新譜「エモ逃げ禁止令」を聴いて確かめるのを楽しみにしています。 『あちゃー、①でも②でもなかった』という答えも素敵ですよね。皆さんも一緒に答え合わせしましょう。 


注)実は、自分の声で「2025年5月15日発売。」と言っていたので油断していたのですが、なんと本日サブスク版が先行リリースされてしまったので、ものすごく慌ててこの原稿をアップロードしています(汗)


ちなみに、既にリリースされているドブロクメンバー版はもちろん、ドブロクを愛する色々な人々がナレーションで登場してきたと思いますので、是非ドブロクやメンバーをフォローして、誰が出て来たのかを振り返って楽しんでみましょう


また、彼らは物理版の発売日に渋谷CLUB QUATTROででっかい3マンライブを控えておりますので、関東の方は特にそちらもチェックして足を運んでくださいね


ドブロク   >> 公式WEB >> 公式X >> 公式Instagram

vo,gt/長瀬寛司 X

bs/ダッハーラ X

ds/佐々木タカヒト X


TOKIROCK

tOkirOck 5Oth Anniversary

ONEMAN SHOW

0コメント

  • 1000 / 1000